履歴書でコミュニケーション能力をアピール
正社員へ戻るための履歴書
非正規での経験や実績を持つ人は、人材不足に悩む企業にとって魅力的です。現場経験が豊富で、経営者目線で考える発想もあり、しっかりとした技術を持っている人が面接に来れば、即戦力が欲しい企業なら採用したくなるでしょう。ただ、非正規からの転職となると、技術者としての能力よりも人物面に対する不安がまず先立ってしまいます。独立をする人の理由にはいろいろなものがありますが、非正規になる道を選んだほとんどの人は「会社」という組織の一員として働くことに否定的で、個人主義的な考え方を持っていることが多いのも事実です。少なくとも、自由を求めて会社を飛び出したのだろうと企業側に思われることは避けられません。もしそうであれば、採用してもまた同じことになりかねないだけでなく、他の社員にもいらぬ影響を与えてしまうかもしれないということで、採用には消極的になることもあります。
技術力よりもコミュニケーション力をアピール
正社員へ戻るための履歴書を用意するにあたっては、何を自己アピールの目玉にするかが重要なポイントです。独立できるほどのスキルがあるので、つい技術力アピールに力を入れたくなりますが、むしろ技術力のほうは事実を書き連ねておけばいいことなので、企業側が最も懸念すると予想される「人物面」のアピールに力を入れましょう。採用担当者は、集団の中に入って他の社員とうまくやれるだけのコミュニケーション力があるかどうかに大きな関心があります。いくら仕事ができても単独行動ばかりの人は社内における人間関係の構築が難しくなってしまいます。ITの仕事はチーム力が大切なので、正社員になってからも非正規のような気分で仕事をされては困るというのが企業側の本音なのです。そのため、非正規として一人でどれだけ頑張ってきたかということよりもチームで仕事をした経験をアピールしたほうが今後の姿をイメージしてもらいやすいでしょう。
非正規の履歴書の記載方法
履歴書の職歴欄には入社と退社の時期を記載しますが、非正規の場合は入社ではないので、どのように表記したらいいかで迷ってしまうことがあります。非正規の場合、屋号をつけて開業届を出している場合とそうでない場合がありますが、開業届を出していたのであれば、「開業・廃業」という表記を使うことができます。そうでない場合は、「活動・活動停止」という表記を使うようにしましょう。開業届の有無が採用の決め手になるということではないので、非正規としての活動が客観的に見てわかるようにしておけば大丈夫です。企業は非正規の人のスキルをぜひ欲しいと思っているので、正社員としての自分に何が求められているかを考えて、自分をアピールできるようによく準備しましょう。